3学期 byオレンジ・ドロップ
2014年05月04日
真っ白い紙 art
オレンジ・ドロップ
私の眼の前には、真っ白の紙が一枚。B5サイズのペラッペラの紙である。
私の周りの子はみんなすらすらと鉛筆かシャーペンを動かしている。どんどん真っ白の紙が黒くなっていく。
その様子を横目で見ている私は、授業が始まって30分、何もしていない。
今日は私が大っ嫌いな美術がある。今日のお題は、
『私・僕が考えた新しい果物を紙に描こう!』
というと~ってもめんどいものである。
周りのみんなは
『オレンジ色のすいかもどき』
とか、
『ピンク色のリンゴからバナナをくっつけたようなシルエット』
とかいうありきたりな物ばかりを描いている。
そんな物だめだ!
もっと、芸術てきな作品を描かなければ……!
例えば何か、と質問されると……
……
まだ試行錯誤中だとでも答えておこう。
私は思いつかないから鉛筆を動かしていないわけではない。
ただ、この溶け込まれるような真っ白の紙を汚したくないのだ!
頭の中には、いろいろな果物がふわふわと浮かんでいる。
しかしっ!
描くわけにはいかない運命なのである!
他の人から見ると、ただの言い訳にすぎない。
だがっ!
これは、れっきとした理由である。
私はこの50分間、この紙の白さを汚すわけにはいかないのだ。
「くるみ、何で紙に何も描いてないの? 授業終わるじゃん!」
「私は、この紙を黒く汚れさすわけにはいかないのだ」
「はあっ? 何言ってんの! ただ、頭が固くて何も思いつかないだけでしょ!」
「だから、バカは困る! 留(る)美(み)のかわいそ~な紙に、私の紙がならぬよう見張っているんだ!」
「何よそれ! じゃあ、こうしてやる!」
私は隣に座っているくるみの紙めがけて鉛筆をひょいっと投げた。くるみの紙は、今では黒い一筋の線が描かれていた。
「何を……」
「くるみはこの紙を真っ白のままにしたかったんでしょ? でも、その任務はこの留美様によって失敗したわけ」
「自分に様をつけんな! 気持ち悪い」
「そんなことどうでもいいの! もう任務は失敗したんだから、あきらめて今では黒い線が引かれたこの紙にあなたの感情を思うままに描きなさい!」
「何偉そうに気取ってるの? ああ、だからバカは困る」
「いや、あたしの方が成績上だし」
「成績とかそういう問題じゃない!」
「まあ、何でもいいからとにかく描け~!」
ああ、何でこんな事になってしまったんだ! 私の前には、今では残念な紙の一員になってしまった紙。横には、私の顔を見てニヤニヤしている留美。
今だから告白しよう。私の頭の中にはちゃんとしたイメージがある!
いや、マジで!
しかし、その果物のシルエットがどうも気持ち悪いのだ。絶対にこんな物を描いたらクラス中の笑われ者になる。
だが、困った事に、これしか浮かんでこないのだ!
時計を見ると、あと5分でチャイムがなる。
ああ、早くなってくれ!
この時ほど時間が長く感じられた時は後にも先にもないだろう。
キーンコーンカーンコーン
「あ~あ、チャイムなっちゃった。結局何にも描いてないじゃん!」
「いや、留美に描かれたよ! このバカが!」
「はいはい、すみませんでした~」
くるみは私を一回睨むと、私が描いた線を消しゴムでゴシゴシ消して前に居る先生に出しにいった。
その後ろ姿を見ながらクスッと笑う。
本当のバカはくるみだよ!
教卓では先生に
「この1時間一体あなたは何をしていたんだ?」
と笑われるくるみの姿があった。
~初の後書き~
まずは、お礼です。こんな初心者感バッリバリの文章を読んでいただきありがとうございます! いつもはもうちょっとましな文章を書くんですけど、今回、本気で時間ありませんでした。提出日になって初めて書き始めるとか、ヤバいですよね(笑)一緒に書き始めたっていうのに、先に書き終わった友人をうらやましがりながら、最後はガッツで乗り切りました! 次はもうちょっと余裕を持って書けるようにがんばります! これからもよろしくお願いしま~す! 明日の受験補助員もがんばります!
オレンジ・ドロップ
私の眼の前には、真っ白の紙が一枚。B5サイズのペラッペラの紙である。
私の周りの子はみんなすらすらと鉛筆かシャーペンを動かしている。どんどん真っ白の紙が黒くなっていく。
その様子を横目で見ている私は、授業が始まって30分、何もしていない。
今日は私が大っ嫌いな美術がある。今日のお題は、
『私・僕が考えた新しい果物を紙に描こう!』
というと~ってもめんどいものである。
周りのみんなは
『オレンジ色のすいかもどき』
とか、
『ピンク色のリンゴからバナナをくっつけたようなシルエット』
とかいうありきたりな物ばかりを描いている。
そんな物だめだ!
もっと、芸術てきな作品を描かなければ……!
例えば何か、と質問されると……
……
まだ試行錯誤中だとでも答えておこう。
私は思いつかないから鉛筆を動かしていないわけではない。
ただ、この溶け込まれるような真っ白の紙を汚したくないのだ!
頭の中には、いろいろな果物がふわふわと浮かんでいる。
しかしっ!
描くわけにはいかない運命なのである!
他の人から見ると、ただの言い訳にすぎない。
だがっ!
これは、れっきとした理由である。
私はこの50分間、この紙の白さを汚すわけにはいかないのだ。
「くるみ、何で紙に何も描いてないの? 授業終わるじゃん!」
「私は、この紙を黒く汚れさすわけにはいかないのだ」
「はあっ? 何言ってんの! ただ、頭が固くて何も思いつかないだけでしょ!」
「だから、バカは困る! 留(る)美(み)のかわいそ~な紙に、私の紙がならぬよう見張っているんだ!」
「何よそれ! じゃあ、こうしてやる!」
私は隣に座っているくるみの紙めがけて鉛筆をひょいっと投げた。くるみの紙は、今では黒い一筋の線が描かれていた。
「何を……」
「くるみはこの紙を真っ白のままにしたかったんでしょ? でも、その任務はこの留美様によって失敗したわけ」
「自分に様をつけんな! 気持ち悪い」
「そんなことどうでもいいの! もう任務は失敗したんだから、あきらめて今では黒い線が引かれたこの紙にあなたの感情を思うままに描きなさい!」
「何偉そうに気取ってるの? ああ、だからバカは困る」
「いや、あたしの方が成績上だし」
「成績とかそういう問題じゃない!」
「まあ、何でもいいからとにかく描け~!」
ああ、何でこんな事になってしまったんだ! 私の前には、今では残念な紙の一員になってしまった紙。横には、私の顔を見てニヤニヤしている留美。
今だから告白しよう。私の頭の中にはちゃんとしたイメージがある!
いや、マジで!
しかし、その果物のシルエットがどうも気持ち悪いのだ。絶対にこんな物を描いたらクラス中の笑われ者になる。
だが、困った事に、これしか浮かんでこないのだ!
時計を見ると、あと5分でチャイムがなる。
ああ、早くなってくれ!
この時ほど時間が長く感じられた時は後にも先にもないだろう。
キーンコーンカーンコーン
「あ~あ、チャイムなっちゃった。結局何にも描いてないじゃん!」
「いや、留美に描かれたよ! このバカが!」
「はいはい、すみませんでした~」
くるみは私を一回睨むと、私が描いた線を消しゴムでゴシゴシ消して前に居る先生に出しにいった。
その後ろ姿を見ながらクスッと笑う。
本当のバカはくるみだよ!
教卓では先生に
「この1時間一体あなたは何をしていたんだ?」
と笑われるくるみの姿があった。
~初の後書き~
まずは、お礼です。こんな初心者感バッリバリの文章を読んでいただきありがとうございます! いつもはもうちょっとましな文章を書くんですけど、今回、本気で時間ありませんでした。提出日になって初めて書き始めるとか、ヤバいですよね(笑)一緒に書き始めたっていうのに、先に書き終わった友人をうらやましがりながら、最後はガッツで乗り切りました! 次はもうちょっと余裕を持って書けるようにがんばります! これからもよろしくお願いしま~す! 明日の受験補助員もがんばります!
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